3.新型コロナワクチン接種の正当性

l  本稿で示した事実は、いずれも公表情報であり、多少のタイムラグはあったとしても、遅かれ早かれ、多くの人が知るところとなる可能性が極めて高いと思われます(あるいは、ワクチン接種後の死者が出たら、政府を叩くために、マスコミがこれらの数値を持ち出す可能性もあります)。もし、国民の大多数が、「新型コロナウイルス感染症のリスクだけに対して異常に怯えている極端な状況」から覚醒した際に、万が一にも象徴的なワクチン死亡者が発生した暁には、政府は極めて大きな批判にさらされることになるでしょう。したがって、冷静に考えれば、国民全員に対してワクチン接種を推進する目的を「新型コロナウイルス感染症の感染予防や重篤化・死亡の抑制」に求めることは、じつは「大義名分に欠けている」ことがわかります。

Ø   現時点において、「新型コロナワクチンを接種すると3%の人は日常生活に支障が生じるリスクはありますが、それを超えるメリットがあるので、ワクチンを接種しましょう」と国民に対して公言できない、という事実自体が「大義名分に欠けている」ことを雄弁に物語っています。

Ø  分かりやすい数値で表現すれば、日本における新型コロナウイルスの感染率は0.33%(=年間40万人÷12000万人)であり、死亡率は0.005%(=年間6000人÷12000万人)。したがって、「ワクチンの有効性」が「副反応のリスク」を大きく上回ることを国民に示すためには、副反応の発生率は0.33%未満であることが求められますし、ワクチン接種者の死亡率は0.005%未満であることが必要になります。したがって、重大な副反応の発生率が2.8%(米国並み>0.33%)だったり、ワクチン接種者の死亡率が0.02%(英国並み>0.005%)だと正当化されません。

l  上記の現実を前提にすれば、現時点において、国民全員に対してワクチン接種を推進することに最大の正当性を与えてくれるのは、「緊急事態宣言等により自粛を要請して経済や社会にダメージを与える手法ではなく、新型コロナワクチンによって、新型コロナウイルス感染症を克服し、ニューノーマルな生活様式に移行できるようにする」という論理しかないのが実情です。

Ø  その論理を採用する際には、「新型コロナウイルス感染症を抑制するために、緊急事態宣言は効果があったのか?」ということが厳しく問われることになります。万が一、緊急事態宣言自体にそれほどの効果がなかったことが立証されてしまうと、ワクチン接種で、国民が想定していた以上の副反応や死者が発生したときに、「ワクチン接種のリスクを軽視した」という批判を御していくことは、極めて困難になります。